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白羽の矢を刺すスタイル

カンファレンスとハイエースと筋肉

カンファレンスとハイエース

カンファレンスを運営するにあたって、当日使用する物資の運搬は非常に重要です。登壇者の後ろに配置するバックパネルや会場案内図、立て看板など、重量があったり、縦横の大きさがそこそこあるものなどの運搬について、一般的な配送方法(宅配便など)では運搬できなかったり、業者に依頼する量ではないにしても電車等での公共交通機関での運搬は不可能な状況があったりします。このような場合に、自分たちで物資を運搬する手段を確保するというオプションがあります。

自分たちで物資の運搬をする手段をとる場合、前提として、大きなサイズの車を運転できる人の確保と、物資輸送にあたって重量物や大きな物を運ぶ体力・筋力の確保が要求されます。 前者については実際に運搬する物資の物量に依存しますが、軽ワゴン車で足りる場合から、ハイエースやキャラバンなどのバンですら容量不足で2tトラックが必要な場合まで様々で、免許区分で NG となることもあります。後者については、バン以上の車であれば、運転手・助手席の間にさらにもう一席あるので、3人の体力・筋力が得られます。

2019年現在の普通免許を持っていればバンなら運転可能です。私の免許では5tトラック(最大積載量3t)までなら運転可能ですが、今までで運転したことのある一番大きな車はハイエースやキャラバンなどのバンに相当する車です。カンファレンスでの物資輸送以外に、自宅の引っ越しでハイエースを使って自力輸送をしたこともあります。

この記事では、タイトルにあるとおりバンを用いたカンファレンスにおける物資輸送について、いくらかの Tips を書き残しておこうと思います。

輸送計画

まず物資輸送の計画を立てるにあたって、運転手と車両の確保を考えることになります。 運転手についてはバンの運転ができる人を地道に探すしかありませんが、車両の確保は比較的容易で、レンタカーでバンを借りれます(もちろん、運営チーム内でバンまたはそれに相当する輸送力をもった車両を所有している人がいれば、その人に協力を仰ぐのが最適なはずです)。昨今はカーシェアリングサービスも盛んですが、物資輸送に最適なバンを借りるのであれば、トヨタレンタカーやニッポンレンタカー、ジャパンレンタカー、オリックスレンタカーが大手で取り扱っています。トヨタレンタカーであれば確実にハイエースを借りられます。

レンタカーで物資輸送を計画する場合、借りる時間をどう設定するかが問題になります。レンタカーである以上契約で使える時間に制約があるため、借りる手続きをしてから荷物をピックアップし、荷物を保管する場所まで移動したあとでその荷物を人手で積み下ろしたうえで、給油して返却するまでが計画されなければなりません。レンタカーを借りる店舗ごとに営業時間が異なるので、24時間営業でない場合には特に返却時間に気を配る必要があります(24時間営業であっても、22時以降の返却には料金の上乗せがあったりしますし、借りた店舗とは異なる店舗で返却するワンウェイレンタルに制約があることも多いです)。

レンタカーでもカーナビが標準装備とはいえ、運転者はどういう経路で物資を運搬するかをよく把握し、返却にあたっては店舗の最寄りにあるガソリンスタンドを把握するなど、経路について事前によく調べておく必要があります。また、荷捌き場への入り方はビルごとに異なるため、事前によく認識を合わせておきましょう。

運転

ハイエースやキャラバンなどバンに相当する車両はそのサイズ感から敬遠されがちだったり、用途からして普段遣い向きではなかったりすることから運転したくないと思われがちですが、扱いづらい車ではないように思います。

よく利用されるコンパクトカーやミニバンとの一番おおきな差異はやはり車体の大きさでしょう。車体そのものが長く幅も広いなど、とにかく小回りとは無縁そうなイメージがありますが、その車体の見た目に反して小回りはきくほうです。ミニバンよりも大きいように見えて、実はミニバンよりも小回りがきくなんてこともあります。

バンとその他の車で違うこともいくつかあります。

パーキングブレーキは車種によってまちまちですが、トヨタハイエースならば左手側に引っ張るレバー(ステッキ式)があり、日産・キャラバンであれば左側にフットペダルがあります。ステッキ式は取っ手にボタンが付いていて、パーキングブレーキを解除するときにそのボタンを押しながらすこし引っ張って解除します。 サイドミラーは手動で調整するものがあります。レンタカー屋さんで借りる車の年式などで変わるので、調整が必要なときは出発前に見ておきましょう。 その他、前輪の位置がミニバンとは違って運転席の真下にくるので、ハンドルをきるタイミングに気をつけましょう。もちろん、荷物が空の状態とある程度積んだ状態では重量が違うので、ブレーキをかけるタイミングやらアクセルの踏み方も状況に応じて調整しましょう。

荷物の積み込み

バンは荷室がかなり広く使えます。ただ後輪のでっぱりや両側スライドドアのステップがあったりするので、純粋に長方形のスペースをフルに使えるわけではないことに注意します。 最近のレンタカーではバックカメラがついていて、バックギアに入れるとカーナビの画面がカメラの映像に切り替わるようになっていますが、とはいえミラーから見える視界を遮るほどのたかさまで荷物を積んでしまうのもよくないので、荷物の積み上げは程々に。また角の硬い荷物を積むときは緩衝材で保護するなどして他の荷物や車内を傷つけないようにしましょう。

積み込む量にもよりますが、ハイエースを借りるということはそこそこの物資を積み込み・積み下ろしするはずなので、荷運び人員が必要です。カンファレンス会場の荷捌き場との行き来もあるので、それなりの筋力が求められます。台車がある場合はこれを活用しましょう。レンタカー屋さんで借りることもできます。ただし会場によっては台車の使用に制限(台車を使用していい出入り口やエレベータに限りがあるなど)を設定しているところもあるので、会場のルールに従って運搬します。

重いものがあるときは無理せず複数人でゆっくり運びましょう。とくに腰は大事です。持ち上げる・下ろすときに腰を壊しやすいので、しっかり腰を落として持ちましょう。

まとめ

ハイエースやキャラバンなどのバンは荷物を運搬するために車体が大きいものの、扱いやすさで言えばミニバンよりも小回りがきくなど便利に使えます。荷室も広いのでかなりの物資を輸送できますが、輸送にあたっては人手も必要です。怪我や事故の無いよう安全に十分配慮しつつ荷物を運びましょう。